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無名の語り

その本が出版されたことは少し前から知っていた。著者の宮本ふみさんは、もう10数年前に実習で行った、M保健所の保健師さんだったから。

無名の語り―保健師が「家族」に出会う12の物語 Book 無名の語り―保健師が「家族」に出会う12の物語

著者:宮本 ふみ
販売元:医学書院
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当時のM保健所のメンバーは、今考えるに相当な方々だったと思う。そんなこともつゆ知らず通い続けた2ヶ月間。

当時受けた印象は今でも鮮烈に覚えている。なんというか説明が難しいんだけど、宮本さんだけでなく、皆さんにオーラがあった。チームなんだけど、1人で律して立っている感じというか…。

とても充実した実習だった。通勤は遠かったけれど、朝行くと、皆さんが優しく迎えてくれた。対話の時間をたくさん取ってくださった。慣れない土地での訪問に大丈夫かと担当ではない保健師さんも気遣ってくださった。住民にも積極的に関わらせてくださった。そして、最終日は夕食会を開いてくださり、私達の将来を語ってくださった。こんな実習ってあるのかと疑ったくらい、実習生を大切にしてくださった。

それまで看護師の延長くらいにしか思っていなかった保健師の印象は大きく変わり、ちょっとやそっとの覚悟じゃなれないなと密かにタメ息をついたほどだった。

そんなこともあり、宮本さんが書かれた本は読んでみたいと思っていた。

会社の帰り道、私は後書きから読む習慣があるのだけれど、ページをめくって「あっ…。」と絶句してしまった。最初に目に映ったのは「享年」という文字だった。

享年56歳。プロフィールには、大学の文学部に進まれた後、34歳で保健師の資格を得、M保健所に勤められたと書いてあった。お世話になったのはその数年後だろう。

1つ1つの事例に宮本さんの心の在り様や実際の働きかけが克明に表現されていて、精神を病む若者やその家族の力動など今の私にとっても多くの示唆を与えてくれる。M保健所で出会った保健師さん達の顔を思い浮かべながら、あっという間に読み終えた。

この本・宮本さんに出会えたことに、感謝です。

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コメント

私も読みたい本の1つです。
本が出たときに、すごい保健師さんだった。。。と言うようなお話は聞いていました。

短い保健師活動だったと言うのは亡くなられていたんですね。。。

お盆のひととき、大学院の研究テーマと内容を絞り込んでいく合間に、じっくりと読みたいですね(^^)

投稿: demi | 2007年8月12日 (日曜日) 00:18

追伸です。
大学院は、平成20年度入学の試験を受ける予定です。まだ入ってませ~ん。紛らわしい表現ですいませんm(__)m

投稿: demi | 2007年8月12日 (日曜日) 00:21

demiさま
ぱにゃおです。
とうとう入試受けるのですね~!いつ頃の試験なんですか?
決めるまでが大変ですが、決断してしまえば、8割方大丈夫ですから!
頑張ってくださいね。ホント、応援しています!

この本は、ケース1つ1つが克明に書かれていて、疾患のお勉強にもなるし、私は地域のことに疎いのですが、資源活用のことについてもとても参考になりました。

あっという間に読めてしまうので、ちょっとお茶タイムにでも読んでみてください。
ちなみにdemiさんは、どんなテーマを考えていらっしゃるのですか~??

投稿: ぱにゃお | 2007年8月12日 (日曜日) 01:02

コメレス、ありがとうですm(_ _)m
大学院は概ね放送大学かな。。。通信なので、子持ちフルタイムには、おいしいです。で、市内に3つ目の看護系大学院が出来るのですが、私学なので、授業料が高いかも。。。募集要項ができてから、検討したいと思っております。

テーマは、子育て支援、できれば乳幼児健診を見直せるようなものを考えたいのですが。。。
政令市で地区担当制を取っているのですが、業務分担製の部分もあります。私は成老人関連担当が長いのです。しかし、特定健診・保健指導の新設や、介護予防事業がどこに行くのか、全くわからないままで研究計画を考える事が出来ずです。

いつもの私らしく、走ってしまってから考えそうな感じです(笑)

また、ご相談させてくださいませ(^^)

投稿: demi | 2007年8月14日 (火曜日) 00:06

そうですか~、放送大学ですね。母子の方だと、発達とか心理とか、色んな側面から検討できそうですね。

でも、市内に3つの看護系大学院ですか!どんどん出来ているのですねぇ。確かに私学は授業料がネックですよね。奨学金もあるようですが、結局返還しなきゃいけないので、あまり借金もしたくないですし。

研究計画書は、あくまでも計画書なので、夢は大きく!で、走っちゃってOKだと思いますよ!

投稿: ぱにゃお | 2007年8月16日 (木曜日) 08:17

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